154622062022

発想の転換、という話。

今のカメラは物凄く性能が良い。
バキバキに解像し隅々まで高精細に描画する。
それはそれで技術の進化なので歓迎すべきことであるが
オジサンはちょっとそれに疲れる時がある。

僕が元々FIJIFILMのカメラを好きになったのはその色味にあるのだが
何が良いのかと言うと、「フィルムカメラで撮ったかのような懐かしい色味と粒状感」だと思う。

僕は別に昔からカメラをやっていた訳ではないが
例えば家族の記念日に撮った写真だったり、写ルンですで撮った若い頃の写真だったりを見た記憶として
フィルムカメラで撮り、プリントされた写真の記憶は存分にある。

実家に帰れば小さい頃からの写真が詰まったアルバムが何冊もある。

そういう写真を見た時のような懐かしさを求めるのだろうか?

なので素晴らしい写りを追求する一方で、必ず対極にあるボンヤリして曖昧なフィルムライクな写りをする撮り方も
しつこく追い求める節がある。
そんな中でたまたま読んだ記事で面白い撮り方を知った。

あえてISOを高く設定することで発生するノイズを利用したフィルムライクな撮り方。

ISOとはカメラの設定の一つであり、
知らない人にもわかりやすく説明すると「光を増幅する機能」と理解してくれればよいと思う。
この値を高くすると、暗い所でも実際の明るさ以上に明るく撮れる。
デメリットとしてはノイズと呼ばれるザラザラした質感が写真に現れる事。

なので、ISO値は必要以上に上げてはいけない、がセオリー。
特に古いカメラでは。

そのセオリーに反してあえて古いカメラでISO値を必要以上にあげまくり、
発生するノイズをフィルムの粒状感のように写真に反映するという撮り方で撮った写真がこの記事で使われている写真。

それに付け加えて、マニュアルフォーカスのレンズ、視野の狭いファインダー、老眼。
これがブレンドされてピントが曖昧になる。
どこにピントがあっているんだかあっていないんだか・・

こうして、計算されつくした、というか己の加齢による非正確さを加算した効果で
なんともまぁフィルムっぽい写真が出来上がる。

そんなにフィルムっぽい写真が撮りたいならフィルムで撮ればいい、と思うのだが
最近はフィルムの値段の高騰も続き、かつ現像する際の費用も高い。
昔のような気軽さはなくなっているように思う。

撮ってすぐ結果を確認できず、現像から上がってきたものを見る楽しみ、は素晴らしいが
毎日撮る身としては全く以てリズム感が合わない。

ので、苦肉の策でフィルムライクに走るわけだ。

不幸中の幸いは、この撮り方に必要となる機材はクソ安いという事。
そう考えると、元も子もないのだが
カメラなんてなんでもいいんだよな、って話。

ではなぜオマエはそんなにカメラやレンズを買いまくるのか?


・・・

・・・・

欲しいからだよ。

Author: ponte